インフォームド・コンセント
みなさん こんにちは!
長野県塩尻市の鴨居歯科医院
鴨居インプラント審美サロンの前川弓乃です。
今、歯科には「ターミナルデンティストリー」という言葉が生まれています。それが具体的にどのような姿を指すものかは明確ではまだありませんが、患者さんの心の痛みに真摯に向き合う態度・医療者の温かなひと言が、ターミナル患者さんの乱れかけた心の軌道修正をしてくれるのではないだろうか・・と、そしてどんなことであれ、安易な告知が患者さんの心を砕いてしまうこともあり得るのだと肝に銘じる場面を私自身も現場経験をしました。
そこで1日の日曜日は、医療カウンセリング学の一環で「インフォームド・コンセント」について学びを得る機会をもちましたので、今日はこの話をさせていただきます。
「インフォームド・コンセント」という外来語は一般に分かりづらいため、様々な日本語訳が考えられてきました。「説明と同意」ほかに、「納得診療」という言い換え。けれどこれらの和訳は、「情報を与えられた上での合意」という、元々の英語が含有する意味の多くが欠落しており、日本語訳の難点から、医療現場では「インフォームド・コンセント」というカタカナ表記が一般的となっています。そのためか、どうも私たち医療従事者もこのコトバの真髄を掴むことに戸惑うことがあります。
「インフォームト゜・コンセント」基本原則
• 特別に時間を取ること
• プライバシーと静けさを確保こと
• 共感していることを伝えること(「さぞご心配でしょう」)
• まず質問をして、相手の言葉に耳を傾けること
• 思いやりのある言葉で
• 段階を踏んで情報を伝える
• 専門用語は避ける
• いつでも声をかけてくれてよい、ということを伝えること(「また来週会いましょう」)
「インフォームド・コンセント」の目的
• 情報を伝える
• 不安を和らげる
• 信頼を深める
• 信頼関係がもたらす、三つの事柄
o 恐れがなくなり、意欲が生まれる
o 受け入れが素直になる
o 時間の節約になる
• 人間は、自分の信頼している人の助言を好んで受けたがる
• 明快な説明は鎮痛効果を持つ
• 説明には、次のような配慮が大切である
1. まず、問いかけること。説明の第一歩は、相手がすでに何を知っているかを確かめておくことである。そうすれば、考え違いや知らずにいることが浮き彫りになり、説明に際しては、その人の心の奥底にある信念にも配慮(そして、〈合わせる〉)しなければならない。
問いかけをすれば、相手がさらに情報をほしがっているかどうかを明らかにすることができる。
2. 簡単明瞭であること。人は最初に言われたことは最もよく覚えているが、新しいことを3つ以上、一度に聞いても、なかなか記憶できない。
3. 大事な情報は繰り返すこと
今回こうして「インフォームド・コンセント」について整理してみると、日常の歯科診療室においても考える点がいくつもみえてきました。
また、先日のS-up研修の中で鴨居院長先生から「もう一歩患者さんに踏み込んで。」という貴重な話がありましたが、インフォームド・コンセントのベースと院長先生の話が私の心の中で重なりました。
人と人のかかわり・・・いいえ、命と命の支えあいを源流に時を過ごしていきたいと願うこの頃です。