プロフェッショナル
みなさん、こんにちは!
長野県塩尻市の鴨居歯科医院・鴨居インプラント
審美サロン
歯科医師の渡辺 正哉です。
今週火曜日の22時よりNHK総合で
「プロフェッショナル 仕事の流儀」
という番組があったので見ました。
今回のプロフェッショナルは、乳腺外科医・中村清吾
先生でした。
放送された内容を紹介し、自分が感じたことを書いてみたいと思います。
まず、
「医師は謙虚であれ」
です。
中村先生が率いる乳がんの診断と治療の専門センターは、乳がんの手術数が年間700件という日本屈指の多さです。
センターを立ち上げ、育て上げた中村先生。
しかし、治療には、常に謙虚さを持って向かうとのこと。
「自分の診断は本当に正しいのか?」
「これで間違っていないか?」
患者の声に真摯(しんし)に耳を傾け、少しでも疑問が残るときは、同僚に意見を求める。
そして、その姿勢を若手医師にも伝えようとしている。
「白衣を着ていると“先生”と思われるかもしれないけれど、それにおぼれてはいけない。もっと謙虚でないといけない」と先生は言う。
謙虚さを失うと、医師としての成長は止まってしまうと考えている。
実際,僕も日々多くの患者さんを診させていただいていますが治療を終え次回来院時に
「前回のところはいかがでしたか?」
という問いに
「何にもなかったです」
「全然平気でした」
といったような治癒に向かっている言葉を聞くととても嬉
しくなる。
逆に、急患として来院してもらったり、「痛かったです」と言われてしまうと、まさに中村先生がおっしゃるように
「自分の診断は本当に正しいのか」
「これで間違っていないか」
と深く考えることがあります。
勉強法は、人から学んだり、研修会に行ったりと色々ありますが現在僕にとっての先生は、1人1人の患者さんなのです。
ありがとうございます。
第二部では、なぜ先生が医者を目指したかについて触れられています。
東京浅草で生まれ育った中村先生。
父は町で名を知られた鍼灸師だった。
いつも患者のグチや悩みを聞きながら、時には厳しく、時には優しく応対していた父。
中村先生は、そんな親の姿を見て医師の道を志した。
外科の道に進んだ中村先生は、いつしか病気を「治す」ことにばかり目を向けるようになってしまい、患者の「声」に真摯に耳を傾ける姿勢を忘れてしまっていた。
そんな時、幼子を連れた再発患者が先生を頼ってやってきた。
「一日でも長く生かせてあげたい」。
しかし、抗がん剤を次々に投与しても効き目はなく、副作用の厳しさばかりが彼女を襲った。
そして彼女は、「子供の世話をしたい」と言いながら苦しみながら息を引き取った。
先生は、「自分のやり方は本当に正しかったのか」と、深く悩むようになる。
悩む中、先生は乳がん治療の先進国、アメリカでの研修を希望する。
ここで患者をたくさんの専門家でともに診るチーム医療を知る。
彼らは治療だけでなく、患者のその後の生活まで見据えて相談にのっていた。
日本に帰った先生は、時間をかけながら同僚を説得。
2005年、チーム医療を本格的にスタートさせた。
アメリカでは、医師だけが白衣を着るのではなく薬剤師、カウンセラー、看護師なども白衣を着て患者に接している。
乳がんの患者は、30代後半から急激に増えはじめ、50代にピークを迎える。
この年代の女性は、母として、妻として、仕事人として、社会的役割が大きい。
そのため、自分の身体だけにかまっていられず、病気による悩みも深くなる。
今年3月末に乳がんの再発で入院してきた患者は、子供に病気の事実を伝えていなかった。
がんの治療には家族の応援は必至だ。
先生は、彼女の気持ちをくみ取り、人生によりそいながら、治療と人生のサポートをしようと試みる。
番組の最後で先生は「プロフェッショナルとは?」
という答えに
「自分の可能性と限界を知っている人。
そして他のプロフェッショナルをリスペクトできるひとだと思います。」
と締めくくっている。
科は違いますが、同じ医師として患者さんに向き合う姿勢や考え方について気づきや学びを得ました。
中村先生のおっしゃっている「チーム医療」は、今まさに日本の医療に欠けているものだと思います。
歯科医院に来院される患者さんも他科にかかっている人が少なくありません。
歯だけを診るのではなく、その人1人の健康を考えられるような歯科医師になっていきたいと思いました。
最後までお読みいただきありがとうございました。