かもしか通信

院長日記

利休忌追善茶会    


利休みなさん、こんにちは!
長野県塩尻市の歯科医、鴨居歯科医院
鴨居インプラント審美サロン
院長の鴨居弘樹です。

寒さがぶり返した3月29日(日)、無量寺にてこの時期恒例の利休忌追善茶会がありました。
10時からの茶会でしたが、当番地区だったので9時に集まり、会席の掃除、準備を行いました。みなさん熱心に寒さを忘れ動き回っていました。

今年の直木賞は、山本兼一著「利休にたずねよ」であったので、千利休について関心を持った人が多くいるのではないかと思われます。

面白い捉え方をした小説でスト-リ-も過去に遡る書き方で読み手を魅了します。
美しいものに対する目利きは超一流。生涯美しいものを求め続けた人として利休像を描いています。
茶室の描写から茶の作法、道具、人の心理まで見事に表現されていますが、茶の心得があれば理解は一層深まると思われます。
一読に値します。

千利休(1522~1591)は、千家流の開祖で、天正19年(1591)2月28日に秀吉の命により切腹しました。その理由はいろいろ憶測され真実は判らず伝えられています。
表千家では3月27日、裏千家では3月28日に利休忌として追善の茶会をしていますが、無量寺の茶道部でもこの時期に師の青山俊董先生、六波羅大仙先生のもとに唐物以上の資格を持った人が追善茶会として集まります。

10時から利休画像のお軸が掛けられ、菜の花が活けられている床の間にお献茶が行われました。
正客に俊董先生、次客に大仙先生がなられ、40名近くの生徒たちが一斉に利休忌の時だけにおこなわれるお点前で追善供養をしたのです。

その後、無量寺内のお部屋をいくつも用いて「七事式」という作法のうち、回り花、回り炭、茶カブキ、花月という席が設けられ、それぞれ分散して一日を楽しむのです。

午前中は花月席・回り花席に入り、それぞれの作法で薄茶を飲み、花を愛でて歓談しました。

昼食は全員が集まり本堂にて一斉に食した後、涅槃図が掛けられた前で図の解説が俊董先生より、お釈迦様の誕生から80歳で入滅するまでの生涯について短い話で解説されました。

午後からは「茶カブキ」の席に入りました。茶カブキとは、茶の種類を飲み当てる一種の遊び心がある作法で、年2回しかできない楽しい濃茶席なのです。
まず試茶(こころみちゃ)という二種の濃茶を飲んでその味を記憶しておいて、次に別の一種を加えて順不同にて立てられた三種の茶銘をあてるというのです。
前回のお稽古の時に何年か振りに当てることができて、「今年は春から縁起が良い」と喜びを感じました。茶会での2度目はどうかと思いましたが、この席でも見事に飲み当てたのです。思わずガッツポ-ズをとってしまいました。

引き続き、「茶カブキ」の亭主役が与えられ、今度は自分が立てた濃茶を飲み当てて頂くように慎重に作法に従ってやらねばなりません。
茶会での茶カブキ亭主は初めてなのでかなり緊張してしまい思わず手が震えます。
しかも俊董先生のすぐ前でのお点前で余計に身が引き締まり、正客も40年来のベテランで神経はかなり昂ぶっていました。まだまだ未熟者であると認識したことでした。
自分自身を知る良い機会を与えられたと感謝しています。

俊董先生に言わせると、「先生孝行」となる一人だけが見事当ててくれました。
もっと多くの人に亭主役としては当てて欲しかったのですが、立て方が上手でなかったのかと少し残念な思いもしましたが、実は足のしびれの方が大変でした。しかしそれを上回る楽しい茶会となりました。
回り炭の席には入れませんでしたが、少し見学ができこれも覚えることが多い作法だと改めて感じています。

1987年2月に入門し22年たちますが、まだまだ奥が深くいつも至らぬ自分に気づきを与えて頂けます。

美味しいお菓子とお薄茶・濃茶を飲み、俊董先生の謦咳に接し人生の軌道修正をして頂ける人生道場としての無量寺でのお茶の稽古にこれからも楽しみに通いたいと思っています。

日本の総合文化としての「茶道」を是非多くの人に知ってもらいたいものです。

一日世俗を離れた空間での贅沢な時間を楽しめた事に感謝しています。
ありがとうございました。

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