嚥下障害につい
みなさん、こんにちは!
長野県塩尻市の鴨居歯科医院
鴨居インプラント審美サロン
歯科技工士の三溝 恒幸です。
先月の10日には、医療法人弘仁会 鴨居歯科医院開院50周年・かもいクリニック新規開院記念講演会を挙行いたしました。たくさんの方にご聴講頂き、改めて御礼を申し上げたいと存じます。かつてない長寿社会でそれぞれの人生をどう生きていくかについてお二方の講師にお話し頂き、ご参加いただいた皆様にもとっても学ぶものがあったのではないかと思います。私ども関わったスタッフ一同も大きな感動を味わう事が出来ました。
さて、そうした長寿社会において、年齢を重ねると、どうしても筋力低下や反射の衰えなどが生じてきます。足腰や腕などの筋力は積極的に鍛えてらっしゃる方もお見掛けしますが、お口の周辺や顔の筋肉を頑張って鍛えていますという方は少ないでしょう。しかし普段の生活の中で、ご飯や飲み物を急いで食べたり飲んだりして、むせたりした経験はありませんか? このむせるというのは、本来食道に入っていく物が、誤って気管に入ってしまういわゆる誤嚥(ごえん)という状態です。通常は飲み込む時に起こる反射(嚥下反射)によって気道に蓋がされるため、飲み込んだ物は食道に導かれ、気道に入ることはありません。しかし、加齢などにより嚥下に関わる筋肉が衰えてきたりすると、一連の嚥下作用がうまく連動しにくくなり、誤嚥をおこしやすくなります。ご存知の通り口腔内には、良くも悪くも数多くの菌が常在しています。この誤嚥により、炎症性の細菌が気管に入ることにより引き起こされる肺炎を誤嚥性肺炎といいます。こうした飲み込みに関する障害のことを、嚥下障害と呼びます。
以前はそんなことはなかったのに最近食事中によくむせるという人は、簡単な評価法があるので試してみてはいかがでしょうか。
方法は、口の中に何も入れずに、30秒間で何回唾液を飲み込むことができるかというものです。飲み込むものが唾液しかありませんから案外ゴックンしにくいと思います。そしてその結果が、3回以上できた人はほぼ問題ありません。しかし、2回以下という方は嚥下開始困難や誤嚥が疑われるようです。
また、少量の水が飲みこみづらい方や、湿ったしわがれ声が気になる方は一度歯科医に診断してもらってはいかがでしょうか。
程度により、その対策やリハビリの方法も変わってきますが、軽度であれば舌や口のトレーニングで機能回復がはかれる場合もあります。
嚥下障害は、全身的な病気とも深く関わりがありますから、軽視をせず十分お気を付けください。
最後までお読みいただきありがとうございました。