かもしか通信

スタッフ日記

外傷歯


みなさん、こんにちは!
長野県塩尻市の鴨居歯科医院
鴨居インプラント審美サロン
歯科医師の宮腰ゆう子です。

今回は先日ラジオでお話した外傷について載せたいと思います。

4月に小学校や中学校に入学され1か月ほど経ちました。

最近は運動会も5月や6月にある学校もあり、練習もこれから始まるかと思います。

そこで、たまにいらっしゃるのが学校で歯をけがして来院されるお子さんです。

雑巾がけをしていて顔をぶつけてしまったり、廊下で誰かとぶつかってしまったりですね。

大人の方でも、コロナで最近は飲み会もめっきり減ったようですが、酔っぱらって転んだりぶつかったりして歯などにけがをしてくる方ですね。こういう方はどうやってけがをしたか覚えていらっしゃらないことが多いですが。

歯の外傷についてはたくさん種類があり、それぞれによって治療法が異なります。

  • まず歯が欠けた場合(破折)

やはり前歯が多いですが、少し欠けた時や、歯の中にある神経までとどいて大きく欠けてしまった場合と、に分けられます。

前者では欠けたところを埋めたり、欠けたものをそのまま接着させることができる場合もあります。神経まで届いて折れてしまった場合は神経の治療が必要な場合もあります。

  • 次に歯がぐらぐらになった場合。(動揺、歯根破折)

歯をぶつけたことで、歯がグラグラになることがあります。これは歯を支える骨の部分がダメージを受けた場合に起こりやすいのです。軽度な場合は、受傷した歯をできるだけ安静にして様子をみますが、大きくぐらぐらしている場合は、両脇の歯と固定して安静を図ります。

しかし、ときには歯の根っこが折れた場合にもグラグラになります。これはレントゲンを撮って確認しますが、折れ方によっては折れているか確認しづらい場合もあります。残せそうであれば、両脇の歯とくっつけて固定し様子をみますが、抜歯しないといけないケースもあります。

  • 歯の位置がずれた、めりこんだ(転位、陥入)

乳歯や生えたての永久歯の場合、外傷による歯の位置のずれや歯のめり込みが比較的多くみられます。治療としては、歯を元の位置に戻し(整復)、両脇の歯と連結して安静を図り(固定)、歯の周りの組織の回復を待ちます。
 一方、低年齢児の乳歯や生えたての永久歯がめり込んだ場合は、歯根がまだ未完成なため自力で再び生えてくることが期待できるので、無理に元の位置まで戻さずに様子をみることもあります。
 また、乳歯の位置がずれたり、めり込むことで、乳歯の下で育っている永久歯に影響が出ることもあります。永久歯の生える方向や、歯の形・色などに影響が出る可能性があるので、永久歯への生え替わりまで定期的にチェック(エックス線検査を含めて)を受けることが望まれます。

  • 歯が抜け落ちた

大きな衝撃が歯にかかった際に、周りの骨も柔らかく歯が抜けてしまうことがあります。

条件が良ければ、元の位置に戻して元通りにくっつくことを期待します。元に戻しただけではまたすぐスポッと抜けてしまうので、両脇の歯と繋げて固定し、くっつくのを待ちます。ちゃんとくっつくかどうかに大事なのが歯の根の部分にある歯根膜という組織が残っていること、損傷していないこと、汚染されていないことが必要です。ですから、歯が抜けて汚れた状態になっても、ゴシゴシ拭いたり、お水で洗ったりしてはいけません。歯を乾燥させないようにして保存液があればその中に入れます。保存液がない場合には、牛乳があればその中に入れたり、それもない場合には軽く汚れをとって口の中に入れておけば歯根膜は変性しません。最近では保健室に保存液が置いてあることが多いようですね。

ただし、抜けてから時間が経ちすぎていたり、戻すことが困難であったりする場合は仕方なく抜歯になることもあります。なので、すぐに歯科医院に行ってください。

また元の位置がどこの位置か判断が難しいときもあるので、かみ合わせなどを確認しつつ慎重に戻します。

事故以前の口元がわかるような写真を持参してくださると、参考にして元の位置に戻します。

  • 歯の色が変わってきた、歯茎がはれてきた

歯を打ったあと、折れたりしていなくても、少し時間がたって歯の色が変わってくることがあります。受傷してすぐに 起こりやすい赤みをおびた変色は、神経(歯髄)の中の血管が損傷して充血や内出血を生じたものと考えられ、充血が治れば歯の色も回復することがあります。一方、数か月して徐々に歯の色が黒ずんでくる場合は、神経(歯髄)が死んでいる可能性が高くなります。さらに色が悪くなったり、根の周囲に病気ができて歯肉が腫れてくることもあります。エックス線写真などで定期的に観察していれば、根の周囲の病気を早く発見して、根の治療を行うことができます。

また、もし頭をぶつけて、吐いてしまったり、意識を失ってしまったりするようなことがあれば、脳神経外科なども受診することをおススメします。

最後までお読みいただきありがとうございました!!

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