4/4ラジオ内容について
みなさん、こんにちは!
長野県塩尻市の鴨居歯科医院
鴨居インプラント審美サロン
歯科医師の永田郷です。
2024/4/4に放送されましたラジオに出演させていただきましたので、その内容について記載していきます。
テーマ:データで見る歯科疾患の現状
本日、4月4日は何の日でしょうか?
3月3日「桃の節句」と5月5日「端午の節句」の中間であること、
女の子の子(し)と男の子の子(し)が歩み寄った「し合わせ」の日であること、などから「幸せの日」とされているそうです。
“歯あわせランチタイム” にピッタリの日ですね。
そして、もう一つ、
歯科の世界では、全国の歯科衛生士が立ち上げた
“GoodbyePerioプロジェクト”によって制定された
「歯周病予防の日」でもあるんです。
ということで、私は「データで見る歯科疾患の現状」についてお話ししていきます。
今回、令和4年歯科疾患実態調査の結果データを参考に、今の日本でのむし歯や歯周病が増えているのか減っているのか、どんな傾向にあるのかなどがメインとなります。
ちなみに、歯科疾患実態調査とは
1957年(昭和32年)から続く調査であり、
全国から無作為に選ばれた300ヶ所で、歯科医師が口腔診査を行い
結果をまとめたもので、厚生労働省が公表している全国調査のことです。
まず、う蝕のある人、つまりむし歯の人についてです。
小児や若年者では減少傾向にあると出ています。
一方、25〜64歳ではほぼ100%に近いそうです。
また、高齢者でむし歯の人が増えているというデータもありますが、これは高齢になっても残っている歯が増えたからだと考えられます。
次に、歯周病についてです。
歯周病は年齢層別に見ると高齢になるほどその割合が高くなる傾向です。
15〜24歳では20%弱、45歳以降は40%以上、
65歳を超えると50%、
つまりは2人に1人が歯周病であるそうです。
また、むし歯や歯周病の予防にもなる「毎日の歯磨き」について面白いデータが出ています。
歯磨きの習慣がこの半世紀の間で大きく変わってきているようです。
具体的には、1日1回磨くという人が60%から20%まで減り、
2回磨く人は50%以上、3回以上磨く人が約30%いるそうです。
そして、歯周病の予防として「歯と歯の間磨き」も、重要です。
デンタルフロスや歯間ブラシの利用者の割合は、
全体的に男性よりも女性に多く、
特に50代後半から60代前半の世代で性別による差が比較的大きいと示されています。
また、今回のデータから
20〜50代、特に男性の歯科検診受診率が低いことがわかりました。
忙しさのために歯科受診の優先度が下がってしまっているのか、理由はわかりませんが、もっと自分ごととして歯の病気に対する危機感を持ってほしいと切に感じます。
暖かい日も増え、桜が開花し始め、春の兆しを感じてきました。その一方、夜になるとまだ肌寒かったり、 朝と夜で10度以上も気温が変わったりする日もあります。
こんな風に変化の多い天気が続くと体調が崩れやすくなってきます。 急な変化になんとか体が適応しようとして頑張りすぎて、免疫力が下がってしまうからです。
特に、歯茎などの末端の組織は免疫力が下がりやすいので要注意です。 普段はなんともなくても、免疫力が下がることで急に口の中にいる菌に負け、急性の歯周病になったりすることがあります。 よく「季節の変わり目には風邪を引きやすい」と言われますが、実は春は歯のトラブルにも遭いやすいのです。
春に歯のトラブルを防ぐには、免疫力を下げないようにすること。 気温差が激しいと体調を崩しやすくなりますが、それに負けないように栄養のあるものを食べたり、しっかり睡眠をとったりすることを心がけましょう。
自分の歯でいつまでもしっかり噛めることは健康のバロメータでもあります。
歯の本当の大切さを、失ってからしみじみ実感し悔やんでいると
患者さんから聞くことは本当に多くあります。
そうならないためにも、普段の予防と歯科検診を欠かさないよう歯科医師の立場から、お願いしたいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。