骨粗しょう症患者さんは口腔内のケアが大切です
みなさん、こんにちは!
長野県塩尻市の鴨居歯科医院
鴨居インプラント審美サロン
歯科医師の鴨居愛子です。
本日は「高ボッチ高原FM」さんにお邪魔して、「カモシカ歯合わせ(しあわせ)ランチタイム」のコーナーにラジオに出演させていただきました!!その内容について記載していきます。
久しぶりのラジオ出演にドキドキしましたが、ラジオ局の方々がとてもお優しくて、お茶とお菓子までご馳走になりました。「歯医者さんでもお菓子食べるんですね!」なんてお声かけいただきながら、ミントアイスを満喫して出演の合間に和やかな時間を過ごしました。暑い日にミントアイス幸せです。チョコのお土産もいただきましてありがとうございました。
よくある質問の中に「歯医者さんでもむし歯になるんですか?」というものがあります。「生まれた時から歯科医師なわけではないので、小学生の頃にむし歯になりましたよ。大人になってからは、新たなむし歯はないですが、小学生の頃のむし歯治療のやり直しは、歯科医師になってからもしたことがありますよ!」とお答えしています。歯の治療は楽しいことではありませんが、自分も治療される側を経験すると、患者さんのこわい気持ちだったり、不安な気持ちなどが体験できるので勉強になります。
今回のラジオのテーマは、、、
「骨粗しょう症患者さんは口腔内のケアが大切」です!!
松本歯科大学歯学部 歯科放射線学講座 主任教授の田口明先生監修の大正製薬さんの患者さん向けパンフレットを参考に、2023年に改訂された「薬剤関連顎骨壊死の病態と管理:顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー」のデータを交えながらお話しいたしました。以下はその内容を箇条書きにしてお伝えします。
・骨粗しょう症の患者さんは増加傾向にあります
・骨粗しょう症の方は、歯を支えている骨が弱くなったり炎症が起きやすいため、歯周病になりやすいです
・歯周炎が悪化すると、あごの骨にも炎症が広がり顎骨骨髄炎、顎骨壊死がみられることがあります
・骨粗しょう症のお薬の影響で、もともとあった炎症(どんな状況か☆印の所で後述)が悪化し、顎骨骨髄炎、顎骨壊死になることを、専門用語でMRONJ(ムロンジェ)といいます
・MRONJを予防するには、お口の中を清潔に保つ事が大切です
・MRONJ(ムロンジェ)の症状には、
あごに鈍い痛みが生じる、歯ぐきから膿が8週間以上ずっと出続けている、下唇や下あご辺りが痺れる
などがあります。
・MRONJ(ムロンジェ)は、年間4000人が発症しています
・低用量の骨粗しょう症のお薬を飲んでいる人の中で、MRONJ(ムロンジェ)になってしまう人の割合は、 1000人当たり1人といわれています。(データや薬の種類によって多少の違いがあります)
・アメリカの発症率より日本の発症率の方が高いです
☆骨粗しょう症のお薬を飲んでいる方で、
治療途中の歯がある、抜かなきゃいけないと歯科医師に言われても抜きたくなくてそのままにしている歯がある、歯の根っこに膿がたまっていると歯科医師に言われたことがある、グラグラしている歯がある、合わない入れ歯を使って歯ぐきが傷ついている
このような状況の方は、すぐに歯科医院で炎症があごにまで広がっていないかチェックしてもらってください。
また、骨粗しょう症のお薬をこれから飲む予定です、という方は、飲み始める前に歯科医院を受診してくださいね。(MRONJになってしまうと、大変なので。)
お薬の添付文書にも「投与開始前は口腔内の管理状態を確認し、必要に応じて、患者に対し適切な歯科検査を受け、侵襲的な歯科処置をできる限り済ませておくよう指導すること」と書いてあります。最新の2023年のポジションペーパーでは、医師に向けて、「骨粗しょう症治療を開始する患者は全例が歯科スクリーニングの対象」と記載され、より、強く歯科受診を推奨しています。
骨粗しょう症の予防には①日光浴②運動③食事が大切です。
気を付けていても骨粗しょう症になってしまったら、いつ骨粗しょう症のお薬が開始されても平気なように、普段からお口のケアをこころがけたいものです。
☆1人でも多くの方がMRONJ(ムロンジェ)の予防と早期発見、早期治療ができますように☆
最後までお読みいただきありがとうございました。