致知感想文
皆様、こんにちは!鴨居歯科医院、歯科衛生士の髙木さなえです。11月号の感想文を投稿致します。
34頁 いのちの教育の研究者 東井義雄の生き方が教えるもの
人間のいのちを見つめ続けた人生を生きた東井義雄先生。自身の幼少期からの様々な人生経験を通し、「ビリの子・泳げない子・勉強のできない子の悲しみが分かってやれる先生になりたい」と教育者になる原点となる決意をされました。兵庫県の山間部にある小さな町で、生活綴り方教育(子どもたちが生活の中で感じたこと、考えたことを書くことで表現させる教育)で注目を集め、「村を育てる学力」という本の出版により全国に知られた存在になりました。先生の言葉に「どんなに学力をつけても、地域の共同体に対する愛がなくては意味がない」「ふるさとを愛する子どもが偉いのではないか」と、今現在課題となっている地方創生の問題も、先生の言葉に共感し行動する子どもや教師が増えていけば解決できるのではと思いました。
更に先生の残された言葉に「どの子も子どもは星」「子どもの命に触れないと本物の教師にはなれない」と子ども一人ひとりの持ついのちを見つめ、いのちの素晴らしさを育み伸ばすことが教師の役目と考え、優しさだけを追求されたのかといえばそうではなく「自分は自分の主人公。世界でただ一人の自分を創る責任者」といかに主体性を立てて人生を歩むことが大事かということも、しっかり子どもたちに教え込まれ、よいことはよい、悪いことは悪い。悪の道に行ってはいけないと自分で判断できるよう、しっかり教育をされました。また、「欲望の下僕となるな。欲望の主人公になれ」という言葉は、先生の強い願いが込められていると思いました。物が豊かになることで、誘惑や自分の欲しい物が簡単に手に入れられる、手に入れたくなってしまうこの現代に、いかに欲望に操られることなく欲望の上に立ってコントロールし生きていくか。欲望の主人公であってこそ人間は幸福を創造し、いのちを燃え立たせることができるのだと感じました。
先生が当時、繰り返し口にしていた教えを後年、「小さな勇気こそ」という詩にまとめられていて、最後の一節に”どんな苦難ものり切れる/大きな勇気もほしいにはほしいが/毎日小出しに使える/小さな勇気でいいから/それがわたしは/たくさんほしい/それに/そういう小さな勇気を軽蔑していては/いざというときの/大きな勇気も/つかめないのではないだろうか”小学生の子どもだけでなく、親である私たち大人にも心に感じ入るものがある詩だなあと思いました。
この特集には、更に素晴らしい言葉がありました。”太陽は夜が明けるのを待って昇るのではない 太陽が昇るから夜が明けるのだ”「まわりの条件がわるいからといって何もしないのではなく、条件はよくないが、いまのわたしにできることは何かを考え、それを行動に移すこと。そうしているうちに、よくない条件までいつの間にか好転してくれているのでした。やっぱり太陽が昇るから夜が明けるのてすね。」と、東井義雄先生は言葉に込めた思いを語られたそうです。
徹底した「いのちの教育」の実践と探究、先生自身の様々な人生経験の中で、人間のたった一つしかない大切ないのちを見つめ続けた人生、生き方から生まれた言葉の数々は、どれも心の奥底に響くものがあります。子どもたちだけでなく、全ての日本人に今一度、東井義雄先生の言葉、生き方に触れ、自身のいのちの素晴らしさに目覚めるきっかけになればと思いました。
最後までお読みいただきありがとうございました。