かもしか通信

スタッフ日記

致知感想文


皆様こんにちは。鴨居歯科医院、歯科衛生士の髙木さなえです。12月号の今年最後の感想文を投稿します。

54頁 0歳からの子育て 子育てにも法則がある

発達心理学を専門に大学教授をされている内田伸子先生と、4人のお子さんを全員東大へ進ませ注目を浴び、教育評論家として活躍されている佐藤亮子氏。お二人の対談は、子育てを何年も前に終えた私ですが、毎日何気なくしていた子育てにも法則があること、自走できる力(自分で考え、判断し、自分の人生を選び取れる力)を乳幼児期から育てること。それが子どもに贈る親からの最大の「生き方のヒント」だと学べました。

内田先生の子どもの言語、発達能力などの様々な知識・指摘に大変驚きました。早期教育(英語)は、日本語のようなウラル・アルタイ語系を母語にする人たちは、生まれながらに英語を理解することが難しい。幼少期に発音や聞き分け(分別能力)はできるが、読み書き能力が求められる教科の学習になるとついていけなくなってしまう。現地人並みの英語読解力が一番身につくのは、12才くらい。結局、小学校レベルまでは、日本語をきちんと学んだ子の方が、英語の読解能力がつきやすい。また、15年前まで日本でもアメリカ発のビデオ教材が普及していたが、1日1時間以上見せられていた、生後6ヶ月から1才の子の四分の一以上に言語発達や知能発達の遅れがみられた。それは、脳の情報処理能力が未発達のため、一種の脳梗塞状態に陥る。

現代のAI時代に負けない生きる力を育むには、「外遊び」が一番有効。外で遊ぶことで、視力・運動調整能力・言葉の力が育つ。人間はいくら言葉を習っても、体験を伴わない言葉は頭に入っていかない。

“秋の紅葉”という言葉は知っていても、銀杏の葉の黄色さ、楓の赤さのちがいは外で本物を見ないとわからない。それがAIとの違いで、AIは人間のように体験や感覚と結びついていないので、子どもには言葉を学んで本物にふれること。それが土台となってAI時代を生きる力が培われる。

佐藤氏も、4人の子育てを経験し、子育てとは18年限定の尊い営みであり、その期間は自分(母親)にすべて責任がある、その覚悟を持って育ててきたと仰っています。

日本人として、日本語を母語とする土台を作るには、童謡の歌い聴かせ一万曲、絵本の読み聞かせ一万冊を3才までに佐藤さん自身も楽しみながら実践しました。親の声で文字を読みながら目で追わせて、日本語の文字と音との対応を早くから教えることができる。童謡もメロディにのせて聴かせることで日本語の響きを覚えやすい。

佐藤氏は子育てについて、「ひとりひとり一対一で向き合うことが大切。こどもは非効率の塊で無駄に思えることの連続だが、親が考え方や姿勢を変えるだけでガラッと変わる。叱る時も、禁止や命令を多用したり、自分で考えたり選んだりする余地を与えないと、考える必要がないため主体的に動けなくなる。親の指示待ちになったり、常に親の顔色をうかがって家の中で緊張しながら過ごす子にならないよう、子どもに考える余地を与え、子どもの気持ちや動きに敏感になって柔軟に調整する。」

「三つのH(ほめる・はげます・視野をひろげる)の言葉をかけるようにする。このような共有型しつけをした家庭の子どもは、難関校進学者や、医師や弁護士など難関国家試験の合格者が多いことが判明している。しつけの仕方で、同じことを伝えるにも親がどのような言葉を選ぶかで、子どもの人生が全然変わってしまう。それは、経済的格差より大きな差を生む可能性がある。」

「ついつい自分の子どもだと、何を言ってもいいと思って、酷い言葉を使ってしまいがち。そうならないように、”隣の子フィルター”を使う。隣の家の子を想像して、果たしてその子にこんなこと言えるかなと。そこでいけないと思ったら、それは自分の子にもかけてはいけない言葉だと思える。一度かけた言葉は、何であれ子どもの心に刺さって絶対に取り消せない。」

内田先生、佐藤氏は対談の最後に「いまは女性も第一線で働く時代となり、仕事に就いたら子どもに最優先で寄り添うのは難しい。しかし、子どもが巣立つまでは、家に帰ったらすぐ家事に走らず、10分でもいいから横に座って宿題をみてあげるなど、話を聞いてあげてほしい。子育ては時間の長さではない。時間が少なくても一緒にいられる時間を濃く、共有していく。子どもに模範解答を見つけてあげるのではなく、子どもが歩むペースに寄り添い、成長を待つ。急がず、急がせず、子どもより半歩下がって子どもが一歩先に進む手伝いをするのが親の役目。」と仰っていました。

そのような子育てができる親が増え、その家庭を支える社会になるよう期待していたいです。

今年も一年、鴨居歯科医院の父(致知)である院長先生に12冊の致知を頂き、人間学を学ぶことができました。ありがとうございました。そして、鴨居歯科医院にお越しくださった皆様、投稿をご覧の皆様、ありがとうございました。良いお年をお迎えくださいませ。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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