かもしか通信

みなさん、こんにちは！
長野県塩尻市の鴨居歯科医院
鴨居インプラント審美サロン
歯科医師の宮腰ゆう子です。

よく「放射線をあびて大丈夫ですか？」という質問を受けます。結論から言うと安心して検査を受けていただいて大丈夫です。どう安全なのかこれからお話ししていきます。

実は私たちは、地上で暮らしている間にも絶えず自然界から放射線を浴びています。

レントゲン撮影による放射線被ばく量は、ミリシーベルト（mSv）という単位で表されます。

国連科学委員会の2000年報告によりますと、おおまかな年間の実効線量値として、宇宙起源の放射線から約0.4mSv、大地に含まれる自然放射性物質から約0.5mSv、飲食物から約0.3mSv、そして大気中にあまねく存在するラドン核種により約1.2mSv、合計すると年間約2.4mSvを被ばくしているとされています

一方、歯科治療で口の中にフィルムを入れて撮影するレントゲンの放射線被ばく量は、1回あたり約0.01ミリシーベルト、歯科用CTは１回あたり0.1ミリシーベルトです。

さらに当クリニックのレントゲンはデジタル化していますので、従来よりもさらに少ない線量で照射しています。昔は写真のように暗室で現像液を使い現像していました。その場合より少ない線量でもはっきり映るようになったためです。

また、レントゲンを撮る際には、ずっしりとした防護服やエプロンを着用することがあります。これはレントゲン防護服やＸ線防護服と呼ばれ、特殊な加工を施してあり、放射線源から防護するものです。

しかし、最近では防護服の効果は小さくメリットは少ないため使用しないことが推奨されています。なので当院でも最近は防護服を使用することはほとんどしなくなりました。

日本歯科放射線学会から出ている指針でも、口の中にフィルムを入れる方法では、体の方に照射されて重要な臓器に照射される場合だったら意義があるかもしれない、ということですがほぼ体に向けて照射することはありません。防護服を装着するのは被ばく線量を低減させるためというよりは、患者さんへの心理面への配慮のためと言われています。

またパノラマといわれている顔の外をぐるっと回って撮影する方法でも防護服を装着した場合でも実質的な線量低減の効果はほとんどないと言われています。逆に撮影の際に防護服が映り込んでしまって再撮影せざるを得なくなってしまったり、防護服に機械が当たって止めてしまうかもしれず、防護エプロンは使用しない方が良いとなっています。先ほどと同様にもし装着する場合は患者さんへの心理面への配慮のためとなっています。

しかしそれでも妊娠されている方は心配されるかと思います。

国際放射線防護委員会の勧告によると、妊婦さんが出産までに浴びていい放射線源（放射性物質）は100ミリシーベルトです。

原爆被害者の調査で妊娠期間中に100ｍS以下では胎児への影響がみられなかったことが報告されています。妊娠を知らず腹部のCTを撮影を１回行ったとしても超えない数字になっています。それに対して、先ほどお伝えしたように歯科のレントゲンは1回あたり約0.01ミリシーベルトです。必要に応じて何枚か撮らせていただいたとしてもそれほどレントゲンを心配する必要はありません。

 安心してレントゲンを撮ってもらって大丈夫です。

それでもやはり妊娠されている方は心配になってしまう方が多いので先ほどの防護服を付けて撮影させてもらうことが多いです。

最後までお読みいただきありがとうございました！